2005年10月22日、いよいよ兵庫県立芸術文化センターが「第九」で幕を明けます。佐渡裕指揮というだけあって、チケットは初日に完売。現在センターは、オープンに向けて最終調整の段階に入っています。
そこで今月と来月は、阪急西宮北口駅から徒歩すぐの本格派ホールとして話題の「兵庫県立芸術文化センター」をレポートします。
センター見学の感想をひと言でいうと、「行ってみたいホールNo.1」。多彩なプログラムで、初心者から上級者まで楽しませてくれるセンターに期待大です。

震災を乗り越えて

ホワイエ
兵庫県立芸術文化センターが着想されたのは、平成元年ごろ。今から17年も前になります。当時は、より文化的な街づくりを目指して構想が練られていました。その後、時代はバブル崩壊を迎え、さらに街は、未曾有の被害をもたらした阪神淡路大震災に見舞われました。復興と財政難のためセンター建設は一時、中断になりました。しかし、そんな中、「復興の今だからこそ、文化が大切なのではないか」という声があがり始めたのです。
そうして、市民、県民の心の癒しこそ、センターが担うべき使命となりました。「市民、県民の皆さんと一緒に創造する」それが兵庫県立芸術文化センターのコンセプトです。
そんなセンターには心強い味方がいます。芸術監督としてセンター専属の楽団を率いる佐渡裕氏。そして、構想当時からかかわってきた芸術顧問・山崎正和氏。山崎氏は日本を代表する劇作家であり、佐渡氏もまた世界で活躍する指揮者です。両氏をはじめとする多くの方々の声援を受けて、兵庫県立芸術文化センターは生まれました。

ビックリ情報その1、大ホールの舞台裏は舞台以上に大きかった

観客席から工事中の舞台を見る
兵庫県立芸術文化センターは、マホガニー(木材)とコンクリート、ガラスがマッチした近代的かつ、暖かな雰囲気が伝わってくる建物です。センター内には、大、中、小の3つのホールのほかに、北野ホテルプロデュースのフレンチレストランがあります。
左手が観客席で右手が舞台後方になる。
奥行き43m。
大ホールは2001席収容。コンサートはもちろん、オペラやバレエなど大掛かりな仕掛けや舞台転換も可能で、新国立劇場やびわこホール並みの規模だそうです。(ビックリですよね!)
舞台裏をのぞいてみると、大規模な舞台転換が可能な広さをもった四面舞台で天井も高く、奥行き(43m)、左右の舞台そで(約69m)と超ビッグ!「舞台以上に、舞台裏はでっかい!」と驚嘆しました。舞台スタッフって重労働なんでしょうね。ここでどんな舞台が繰り広げられるのか、どれだけ多くの人々が感動するのか、考えるだけでゾクゾクしました。

ビックリ情報その2、どの席で聴いても同じ音響。でも人気はバルコニー席?

通常、コンサートホールでは、中央の後方席が音響の良い席とされています。しかし、兵庫県立芸術文化センターは、どの座席で聞いても良い音響。日本トップレベルと言われる音響効果は、1/10模型で何度も実験して得られたもの。
バルコニー席 大ホール椅子
コンサートで空席のために座席シートが上がっていたら、ちょっと眺めてみてください。シート裏は木材です。つまり、シートの裏自体が音響反射板になっているのです!こんな所にも音響を良くする秘密があるのですね。
音響が同じとはいえ、やはり人気の座席はあります。たとえば、指揮者の佐渡裕ファンの方は、指揮者の顔がよく見える左側のバルコニーの最前列を希望されるとか。指揮をしているときの顔はもちろん、佐渡氏が演奏を終えて、舞台裏に引き上げるときの顔も見える。つまり、サドラー(佐渡ファンをこう呼ぶそうです)の皆さんが心ゆくまでお顔を拝めるプレミアシートというわけです。
ちなみに、兵庫県立芸術文化センターは、相談しながら希望の座席を取れる独自システム。ファンの方はもちろん、好きな出演者がいない方も出会いを探しにセンターに出かけるのもいいですね。

ビックリ情報その3、ドレスと自転車

兵庫県立芸術文化センターを建設する際、駐輪場を作るかどうか、議論になったそうです。センターのスタッフは、県から異動してきた職員の方や放送局、劇団四季、USJ出身の専門スタッフ。「ホールに駐輪場はいらんやろ〜」、「いやいや、いるねん」という議論があったかどうかは不明ですが、駐輪場があります。すでにチケットを受け取りに自転車で来られるお客様もいるそうです。
自転車で移動することが多い西宮。オペラの夜、ちょっと洒落た衣装で自転車をこぐ人たちが街に出没するかもしれません…!


ビックリ情報その4、ワンコインで気軽にクラシック

そんな庶民派ホールにふさわしく、リーズナブルなコンサートも開催されます。クラシックといえば、堅い、高い、眠いの3拍子を想像しますが、兵庫県立芸術文化センターは「庶民の味方」です。平日のお昼に開かれる「ワンコイン・コンサート」では、500円でチェロやクラリネットなどの曲が楽しめます。さらに、A席2000円、B席1000円のプロムナード・コンサートでは、コブリンや仲道郁代、近藤嘉宏、千住真理子といった層々たる顔ぶれが順次登場します。クラシックになじみが薄いという方にも、是非ともオススメです。
「そんなにすすめるなら〜」「近いから行ってみようかな〜」という軽い気持ちで足を運べる、それが兵庫県立芸術文化センターなのです。今までのホールとはちょっと違うと思いませんか?

次回は、中ホールや小ホール、これから催されるラインナップなどをレポートします。どうぞ、ご期待ください。
 
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